三国志 横山光輝 46巻 孔明の南蛮行
はじめに

本の内容については漫画を読めばいいと思うので、ここでの記事は補足となる、人物や物事を取り上げて漫画を少しでも楽しく読めるようにするのが本記事の目的とします!
よろしくお願いします!



よろしくお願いします!



前回の記事はこちら!


あらすじ


劉備の死により蜀漢の皇帝が劉禅に代わり、それに対する反乱勢力や異民族の問題が勃発する。
孔明はこの期に益州南と南蛮へ徹底服従すべく軍を侵攻させる。
ここでの1番の親玉は孟獲
孔明は彼を見込んでなのかはわからないが、何度も逃しては徹底的に戦う。
この巻では反乱を起こした建寧の太守 雍闓、牂牁郡の太守 朱褒、越嶲郡の太守 高定による反蜀連合との戦いが描かれる。
また演義、横山三国志ならではの痛快なまでの孔明の智略がさえわたる戦いがはじまる!



心理戦は誰にも負けません!
これを討った孔明はさらに南蛮へと侵攻して蛮族の長を手玉にとっていく。
金環三結


董荼那


阿会喃


など演義ならではの蛮族が登場してこの戦いを彩っていく。
個性豊かな異民族との戦いは横山光輝『三国志』のなかでも特殊な今までにない興味深い戦いが繰り広げられます!



演義において羅貫中の創作はなかなか味があるのではないでしょうか?


キーワード 南蛮
現在、日本人のわれわれが使っている南蛮とは違っており、
中国、とりわけ漢民族国家に服従しない異民族にたいして用いた侮蔑(ぶべつ)となる。
中国では天子→内臣→外臣→朝貢国と区別され、服従しない異民族を大きく南北東西で北狄・東夷・西戎・南蛮とよんだ。
この中華思想が日本にも取りいられて蛮という字が「日本書紀」において朝鮮半島の南の未開地や薩摩の西の五色島・薩摩七島・琉球を指すようになる。
16世紀のポルトガルやスペインによるキリスト教布教と称した植民地政策交易を日本に伸ばしてきたのを受けて南蛮と呼ぶようになる。



元としてはいっしょだったんだね!
しかしこちら日本では異国風で物珍しい文物を指す語となり、以来南蛮人とは南欧の西洋人を指すようになる。
ちなみに西欧系(イギリス・オランダなど)は紅毛人と呼んだ。



南蛮とつくものは特に料理に多くありますね!



チキン南蛮おいしい!
南蛮料理
「南蛮」の語は、今日の日本語においても長ネギや唐辛子を使った料理にその名をとどめている。「南蛮料理」という表現は、16世紀にポルトガル人が鉄砲とともに種子島にやってきた頃から、様々な料理関係の書物や料亭のメニューに現れていた。それらに描かれる料理の意味は、キリスト教宣教師らにより南蛮の国ポルトガルから伝わった料理としての南蛮料理と[4][5]、後世にオランダの影響を受けた紅毛料理や、中華料理の影響、さらにはヨーロッパ人が船でたどったマカオやマラッカやインドの料理の影響までを含む、幅広い西洋料理の意味で使われてきた場合の両方がある[6]。
南蛮料理が現れる最も古い記録には、17世紀後期のものとみられる『南蛮料理書』がある[7][8]。また主に長崎に伝わるしっぽくと呼ばれる卓上で食べる家庭での接客料理にも南蛮料理は取り込まれていった[9]。
唐辛子は別名を「南蛮辛子」という。南蛮煮は肉や魚をネギや唐辛子と煮た料理である。南蛮漬けはマリネやエスカベッシュが原型と考えられている。カレー南蛮には唐辛子の入ったカレー粉とネギが使用されている。文政13年(1830年)に出版された古今の文献を引用して江戸の風俗習慣を考証した『嬉遊笑覧』には鴨南蛮が取り上げられており、「又葱(ねぎ)を入るゝを南蛮と云ひ、鴨を加へてかもなんばんと呼ぶ。昔より異風なるものを南蛮と云ふによれり」と記されている[10]。
南蛮 wikiより



このようなステンドグラスの絵画も南蛮を連想させますね!
ピックアップ人物伝 呂凱





どうやら正史では演義のように地図を渡しただけのおっさんではなかったようですね!
呂凱は益州永昌郡の人
劉備が亡くなると後に通じて蜀をあなどった雍闓らは反乱を起こす。
呂凱は王伉と協力して郡境を閉鎖して雍闓の侵攻を防いだ。
呂凱は道理を説いて蜀漢に服従するよう雍闓に進めた。
この時すでに永昌の地は呂凱の威儀と恩愛は広く知れ渡っていたため守り抜くことができたという。
その後、孔明が建寧・永昌・雲南とおさめ呂凱は雲南太守となるが、孔明が帰還した後、再び反乱を起こした南蛮に殺害される。
トピック 彝(イ)族について


孔明が主に戦った異民族としては彝族(イ族)となるようですが、民族名が多様に存在します。
夷
烏蛮
羅羅
倮倮
また歴史的には古羌の子孫とされて
チベット族・納西族(ナシゾク)・羌族の先祖であるといわれる。
さらにチベットと四川を通り移住してきた南詔王国を建国したチベットビルマ語派の先祖とも言われる。
演義ではこの3人が呼応してバックに孟獲がいるという形でこの一連の戦いがはじまりますが、こうして調べてみると演義の描き方がチベットや東南アジア、さらにインド近くまでを網羅した戦いになってるところが興味深いです!
この南蛮での戦いはコミック49巻までと長く続きます。



分量としては赤壁の戦いに匹敵する多さですね!



官渡の戦いは描かれなかったのに!
これは演義の主人公は事実上孔明に代わったことを示唆しているのでしょうか?



なるほど孔明の凄みをもう一度わからせようという演義の作者、羅貫中の思惑ですかね!
さらには関羽・張飛を失った物語をまた盛り上げようとした意図なのか?



このような憶測をするのもなかなか楽しいものです!
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